9月19日
写真1 (C) ESA/Hubble & NASA, D. Thilker, the MAUVE-HST Team.
ハッブル宇宙望遠鏡によって撮影された渦巻銀河・NGC 4698の姿。
ESAは18日、ハッブル宇宙望遠鏡(以下HST)によって撮影された渦巻銀河・NGC 4698の写真を公開した(写真1)。写真を見るとリング構造をしており、渦を巻いているようには見えないが、中心に向かってゆるく渦を巻いている。周りの渦巻腕には、青く光る星がたくさん存在し、中心付近には、質量が小さく温度が低くて、年齢の古い黄金色の星が多く存在する。
NGC 4698は、地球から約5,500万光年離れた場所にあるおとめ座銀河団のうちの一つの渦巻銀河である。おとめ座銀河団は、1,000を超える数の銀河が自己重力によって集まった天体であり、地球から最も近い銀河団である。
今回公開されたNGC 4698の写真1を見ると、中心部分の明るさによって中心付近が見えづらくなっており、リング構造をしているように見える。実際には渦巻腕が中心に向けて緩く向かっている。また中心部分には、太陽質量の数百万倍にもなる質量を持つ超巨大ブラックホールが存在し、その強大な重力によって周りのガスを吸収している。この銀河は、星や塵、ガスで構成された薄い銀河円盤を持ち、周囲に存在する渦巻腕には、赤褐色の塵の塊や若くて青く輝く星がたくさん存在する。
一見するとNGC 4698は普通の渦巻銀河に見えるが、明らかに普通ではない特徴を持っている。それは写真1から明確に見ることはできないが、銀河円盤の右側からバルジが伸びていることである。バルジとは、銀河中心の円盤に対して垂直に膨らむ構造である。このような構造を持つ理由としては、かつてこの銀河が別の銀河と衝突合体したことにあると考えられている。別の銀河と合体した際に、別の銀河からガスが流入し、その軌跡に沿ってバルジができあがったと考えられている。