8月1日

写真1 (C) ESO/M. Montargès et al. Background: N. Rissinger (skysurvey.org).
真ん中は2019年にVLT望遠鏡によって撮影されたベテルギウスの姿。その左側に2024年にVLT望遠鏡によって撮影されたベテルギウス周りの様子が示されている。4つの線で囲まれた場所に今回発見された伴星・ベテルギウスBが存在する。
Miguel Montargès氏(パリ天文台・フランス)を中心とする研究チームは7月28日、VLT望遠鏡を用いてベテルギウス周りを観測した結果、ベテルギウス周りを軌道運動する伴星が存在する強い証拠を発見することに成功したと発表した(写真1)。この伴星はベテルギウスBと名付けられ、ベテルギウスの変光をもたらしていると長年考えられていた。またベテルギウスはやがて死を迎え超新星を起こすが、ベテルギウスBがどのような影響をもたらすかが注目されるとしている。
ベテルギウスはオリオン座にある赤色巨星であり、肉眼で確認することができる誰もが知る星である。数年前より減光が確認されており、やがて死を迎え超新星を起こすと考えられている。またベテルギウスは変光をしており、この変光の原因が伴星による影響ではないかと長い間考えられていた。伴星が直接捉えられたことはこれまでになかったが、2024年に2つの研究チームがベテルギウスに伴星が存在する可能性について言及し、Montargès氏を中心とする研究チームが2024年の12月にVLT望遠鏡による観測を開始した。
長い月日をかけて、研究チームがVLTに搭載された分光変光観測装置・SPHEREによって捉えられたベテルギウス周りの観測データを解析した結果、伴星が存在する強い証拠を発見することに成功した(写真1)。写真1真ん中にベテルギウスの拡大写真があり、その周りの様子を捉えたものが左の写真である。この左の写真で4つの線で囲まれた天体がベテルギウスBと名付けられた伴星であり、地球から見てベテルギウスから最も遠く離れた場所にある様子が捉えられた。Montargès氏は「ベテルギウスの伴星が太陽と同じくらいの質量であると予測されていたため、観測するのが困難であると考えていたが、実際には観測することに成功して嬉しく思う。またこの伴星が太陽質量の2~3倍の質量を持つことが明らかになった」とコメントしている。
今後の目標について、「このベテルギウスBが確かに伴星であることを証明するために、今後1年かけてベテルギウスBがベテルギウスに対して反対側の位置にあるときの様子を捉える必要がある」とMontargès氏はコメントしている。またベテルギウスが今後死を迎え超新星を起こすと考えられており、ベテルギウスBが赤色巨星の進化にどのような影響を及ぼすかが注目されるとしている。