3月21日

 

 

写真1( C ) ESO/A. R. G. do Brito do Vale et al.

VLT望遠鏡によって撮影された若い星団・RCW 36の姿。

 

 ESO(ヨーロッパ南天天文台)は2日、VLT宇宙望遠鏡の近赤外線観測装置によって撮影された、ほ座方向約2,300光年離れた場所にある若い星団・RCW 36の写真を公開した(写真1)。写真真ん中にタカのような体つきをした星雲が広がり、そこからフィラメント構造が左右に伸び、タカの翼のような形をしている様子がわかる。翼の下には綺麗な青色の星雲が広がり、産まれたばかりの新しい巨大星が散りばめられている。これらの星が周りのガスを照らし出し、明るく輝かせている。全体として、タカが産まれたばかりの星を守っているような印象的な写真である。

 

 偶然ではあるが、今回公開された宇宙のタカ(hawk)は、VLT望遠鏡に搭載された同じ名前のHAWK-Iと呼ばれる近赤外線観測装置によって撮影された。写真1を見ると、明るく輝く産まれたばかりの巨大星が目立つが、天文学者の間では、この星雲に隠れたあまり光を出さない褐色矮星が注目されている。「褐色矮星とは、その中心核で水素による核融合が進まない星のことである」とこの研究を進めるAfonso do Brito do Vale氏(ポルトガル宇宙天体物理学研究所・ポストドクター)は説明している。

 

 Afonso氏は、RCW 36でできる星が最初どれくらいの質量であったかを表す初期質量関数(IMF)や褐色矮星が星団の中にどれくらいあるかの研究をしており、今回の観測によって新たな知見を得ることに成功した。RCW 36におけるIMFは0.03太陽質量であり、星と褐色矮星の比は2~5であることが判明したとしている。またこの星団内で質量による住み分け(重い星が中心付近に多く分布し、軽い星は外側に多く分布する)も起きていることが確認された。