1月31日

写真1 ( C ) ESA/Hubble & NASA, R. J. Foley (UC Santa Cruz), Dark Energy Survey/DOE/FNAL/DECam/CTIO/NOIRLab/NSF/AURA Acknowledgement: Mehmet Yüksek.
ハッブル宇宙望遠鏡が捉えたレンズ状銀河・NGC 7722の姿。
ESAは30日、ハッブル宇宙望遠鏡によって撮影されたレンズ状銀河・NGC 7722の写真を公開した(写真1)。銀河中心が明るく輝いており、周りにねじれた赤褐色の塵のレーンが大きく広がっている様子が印象的である。
レンズ状銀河・NGC 7722は、ペガスス座方向約1億8,700万光年離れた場所に位置する。レンズ状銀河とは、レンズの形をした銀河であり、渦巻銀河と楕円銀河の中間くらいの形をした銀河のことである。そもそも宇宙にあるあらゆる銀河が、渦巻銀河か楕円銀河のどちらであるかを特定することは難しいが、レンズ状銀河はとても珍しい。レンズ状銀河は渦巻銀河と楕円銀河の両方の性質を持ち合わせる。
写真1を見ると、NGC 7722は明確な渦巻腕を持っていないが、銀河を取り囲む塵からなるねじれた赤褐色のレーンが大きく広がっており、銀河中心にあるバルジ(垂直方向に方向に広がるガス)やハロー(銀河の外縁部に広がるガス)も楕円状銀河のように発達している。大きく広がる赤褐色のレーンは、NGC 7722に似たレンズ状銀河との衝突・合併の結果できたものであると考えられている。レンズ状銀河の形成過程は未だ謎が多いが、他の天体との衝突・合併や重力相互作用が大きな役割を果たしていると考えられている。
一般的にレンズ状銀河では、星形成があまり行われておらず、渦巻銀河と比べて若い星が少なく、古い星の種族で構成される。しかしNGC 7722では、2020年にSN 2020SSFと呼ばれるタイプⅠa型の超新星が確認された。タイプⅠa型の超新星は、連星系を成す白色矮星が、伴星からの質量降着によって爆発を起こす現象のことである。この現象で新たな星を形成する材料が周りに作り出されるため、レンズ状銀河における新たな星形成活動の姿を確認する第一歩となる。
今回撮影された写真は、超新星SN 2020SSFが起きた2年後に撮影された写真であり、超新星残骸やその周りの様子を捉えることを目的としたプログラムの一環で撮影が行われた。