12月6日

 

 

 

写真1 ( C ) ESA/Hubble & NASA, D. Thilker, F. Belfiore, J. Lee and the PHANGS-HST Team.

ハッブル宇宙望遠鏡によって撮影された渦巻銀河・NGC 1792の姿。

 

 ESAは1日、ハッブル宇宙望遠鏡によって撮影された爆発的星形成を行う渦巻銀河・NGC 1792の写真を公開した(写真1)。銀河中心は赤みがかった塵に覆われ、本来の明るさが失われている。銀河中心からは2本の渦巻腕が外側に向かって伸びており、青く輝く星団や星形成領域である赤色の領域が、ところどころに写し出されている。全体的にしっかりとした渦を巻いているというよりは、混沌とした姿をしているのが印象的である。

 

 NGC 1792は、はと座(南天の星座)方向約5,000万光年離れた場所に位置する。NGC 1792の近くには、より大きな銀河・NGC 1808が存在し、強い重力相互作用を及ぼしあうことによって、NGC 1792内のガスがかき混ぜられる。その結果、強い重力が及ぶ銀河・NGC 1792の外側において、活発に星形成が行われる。

 

 写真1を見ると渦巻腕に星形成領域である赤色の領域が写し出されているが、水素分子で構成された星雲から放出されるHα線を捉えることで、このように赤く表示されている。また星形成領域で形成された星は明るく輝き、紫外線も放出している。これらの電磁波が周りのガスをイオン化させ、そのガスからも特殊な赤い光を出すこととなる。