11月29日

写真1 ( C ) ESA/Hubble & NASA, R. Indebetouw.
ハッブル宇宙望遠鏡によって撮影された大マゼラン雲内にある星形成領域・N159の姿。
ESAは24日、ハッブル宇宙望遠鏡によって撮影された大マゼラン雲内の星形成領域・N159の写真を公開した(写真1)。真ん中から左にかけて存在するガスや塵で構成された星雲が、赤色で表示されている。赤い星雲内で背景の宇宙が見えないほど不透明な場所があるが、ここでは星団が形成されている。
星形成領域・N159は、天の川銀河の近傍銀河である大マゼラン雲内のかじき座の中にあり、我々から約160,000光年離れた場所にある。大マゼラン雲内では最もよく星形成活動を行っている星形成領域である。
写真1は星形成領域・N159の一部分を示しており、N159の全体の距離(写真に写っていない部分を含めて)は150光年以上ある。150光年は、地球と太陽の距離のおよそ1,000万倍あるため、いかに長い距離があるかがわかる。N159にあるガスは氷点下にあり、このガスが重力によって集まり星が形成される。特に形成された星の温度と質量が高い場合には、イオン化された水素原子を放出し、赤色で表示されている。
また写真中央を見ると赤い星雲の泡構造をしており、背景の宇宙が透けて見えている。このような構造になるのは、そこで形成された星から出る恒星風によって、周りのガスが吹き飛ばされているためである。