8月2日

 

 

 

写真1 ( C ) ESA/Hubble & NASA, L. Galbany, S. Jha, K. Noll, A. Riess.

ハッブル宇宙望遠鏡が捉えた渦巻銀河・NGC 1309の姿。

 

 ESAは7月28日、ハッブル宇宙望遠鏡(以下HST)によって捉えられた渦巻銀河・NGC 1309の姿を公開した。渦巻腕が鮮やかな青い星で構成されており、真ん中は真珠のような白色で輝いているのが印象的である。背景には数百もの遠方銀河の姿が写し出されている。

 

 NGC 1309は、エリダヌス座方向およそ1億光年離れた場所に位置する。過去にHSTによって何回も観測がされており、2006年と2014年には写真が公開された。

 

 またSN 2002fk(2002年観測)とSN 2012Z(2012年観測)と呼ばれる超新星がHSTによって観測されたことがある。SN 2002fkは、タイプⅠa型の超新星であると考えられている。タイプⅠa型の超新星は、連星系を成す白色矮星が、伴星からの質量降着により限界質量を超えた際に起こす爆発現象のことである。その一方でSN 2012ZもタイプIa型に似ているが、分光学的に時間とともに違いが大きくなり、エネルギーがはるかに弱く暗いものとなる。このタイプの超新星はタイプⅠax型として分類される。可視光でのその特性と、ヘリウム新星であるとも座V445との類似性から、SN 2012Zはおそらく、ヘリウム星である伴星からの降着を受けている白色矮星の爆発であると考えられている。

 

またHSTの長年に渡る観測によって、超新星を起こす前の白色矮星の様子が初めて捉えられたことがある。