5月17日
写真1 ( C ) ESA/Hubble & NASA, C. Murray.
ハッブル宇宙望遠鏡の多波長観測jによって捉えられた大マゼラン雲の姿
ESAは12日、ハッブル宇宙望遠鏡(以下HST)の多波長観測によって捉えられた綿菓子のように見える大マゼラン雲の写真を公開した(写真1)。カラフルに写る雲の姿が印象的である。雲はガスや塵で構成されており、青、緑、ピンク、赤、黒色の様々な色が写っているが、それぞれ異なる分子から出された光を示している。雲は分厚いが、半透明であり、その背景には青色の星やオレンジ色の星が写っている様子がわかる。
大マゼラン雲は天の川銀河の数多くある伴銀河の内の一つであり、かじき座・テーブル山座方向およそ160,000光年離れた場所に位置する。
写真1はHSTに搭載されたWide Field Camera 3(WFC3)と呼ばれる多波長観測によって捉えられた写真である。WFC3には人間の目で見ることのできない紫外線や赤外線の波長帯を含む5つの波長帯を観測することができるフィルターで構成されている。写真1を見るとカラフルな綿菓子のように見えるガス雲の姿が写っているが、実際に目で見た時の色がそのまま反映されているわけではない。もちろん可視光で見えるものはそのままの色で処理がされているが、目に見えない光は違う色で置き換えられている。波長の短い紫外線などは青色や紫色で表現され、波長の長い赤外線は赤色で色づけられている。