この画像は、以下の式を時間を少し進めたとき(t=8)の等高線図を示しています。

 

\(\rho=\frac{20}{\sqrt{r^{2}+1}}+\exp(-\omega_{i}t)\cdot\cos(0.5kr^{2}+\omega_{r}t-2\theta)\)・・・(1)

 

式(1)の第1項は、プラマーモデルを基にした密度関数であり、第2項は角度\(\theta\)と中心からの距離rに対する密度振動\(\rho\)の変化分です。しっかりと渦巻構造ができていることがわかりますね。渦巻銀河は密度振動を経て渦を巻いていることが示唆されています。振動数\(\omega\)は複素数であり、\(\omega_{r}+\omega_{i}i\)と表されます。式の中の\(0.5kr^{2}\)はばねポテンシャルです。

 

以下にt=0,4,6の時の画像を並べます。

 

t=0のとき

 

 

t=4のとき

 

 

t=6のとき

 

時間が経つにつれて、渦巻構造がしっかりと形成されていく様子がわかります。ちなみに(1)式は流体力学の運動方程式、連続の式、ポアソン方程式から導かれます。また密度振動の式はポテンシャルのずれの式と関わっており、ポテンシャルのずれは本来の重力ポテンシャル(プラマーモデルなど)からのずれ(摂動)がどのように表されるかを考えることで、求めることができます。この密度振動が起きると、回転する天体のスパイラル構造ができあがり、回転体中心からの角運動量が回転体中心から外側に波として輸送されるということがわかっています(Kalnajs & Lynden-Bell 1972年の論文を参照)。つまりポテンシャルのずれが密度振動を起こし、渦巻構造を作ることで、角運動量が回転体の中心から外側にかけて輸送されるということです。

 

t=0~8までのアニメーションは以下のようになります。

 

 

 

徐々に渦巻構造ができあがる様子がわかります。

このアニメーションは、pythonモジュールのmatplotlibの中にあるFuncAnimationを用いて作成しました。

 

具体的に角運動量が輸送されるとどのようにして回転体の中の物質が運動していくかのアニメーションは次のページをご覧ください。

 

渦巻構造